恋愛小説? ファンタジー? SF? ジャンル分け不能、ちょっと奇妙で愛しい18の物語の玉手箱。川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』(2/28刊)

 

川上マジック全開――不思議でちょっと奇妙、でもなぜか心が温かくなる名短篇、18篇を収録。

 

物語の一部をご紹介 ――
 
右の掌にダンベルを持っている男の人。その筋肉の美しさに私は恋をした‥‥‥「鍵」
 
家賃は格安で2万円。そのかわり一匹だけ扶養義務を負うというのがこのアパートの決まり。ぼくは名前も知らない不思議な一匹を選んだ‥‥‥「大聖堂」
 
知らない男の人と掌サイズの<小さい人>に出会った。「猫にさらわれた恋人を助けてほしい」と小さい人は言う‥‥‥「銀座 午後二時 歌舞伎座あたり」
 
私の部屋を訪ねてきたのは魔法を使って時間の流れを変える男の子だった‥‥‥「二百十日」
 
「一晩、一緒に過して下さい。お金は払います」と見知らぬ女性に言われて一晩中踊りつづけることになった〈僕〉‥‥‥「お金は大切」
 
少女は緑の缶に〈幾人もの死体〉を集めている‥‥‥「ルル秋桜」
 
人間を精神年齢に応じた外見にするための技術は今世紀後半に発達した。私は58歳だけれど精神年齢は18歳なので、宿舎の中では18歳の姿ですごす‥‥‥「スミレ」
 
私と弟のとらお、そして母の恒子、父の新吉。私たち四人家族は十年前に家族を解散した。私は一年のうち十ヵ月は三人の元家族の家を泊り歩く‥‥‥「無人島から」
 
そして不思議な表題作――《ぼくの死体と/晴美と/さくらを/よろしくたのむ/いや/死体はどうでもいいから/晴美とさくらを/よろしく》「なんですか、これ」「あなたのお父さんが、死ぬ少し前に送ってきた手紙みたいなもの」‥‥‥「ぼくの死体をよろしくたのむ」

 

川上弘美(かわかみ・ひろみ)
『ぼくの死体をよろしくたのむ』
定価:本体1,500円+税 2017年2月28日発売
四六判・258ページ ISBN978-4-09-386455-8

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<プロフィール>川上弘美(かわかみ・ひろみ)・・・1958年生まれ。1996年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』で紫式部文学賞とBunkamura ドゥ マゴ文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』で読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。ほかに作品多数。

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