【秘史発掘!】箏(こと)で世界に挑んだ全盲の音楽家の人生は、勇気と生きる力を与えてくれる!『奇蹟の爪音』

 

 ニューヨークの音楽の殿堂カーネギーホールで、バイオリニスト・江藤俊哉に次いで日本人二人目となるリサイタル。コンサートホールの最高峰リンカーンセンターのフィルハーモニック・ホールでは東洋人初の公演。全米を股に掛けた演奏ツアーに、著名レーベルからのアルバム続々発売。そして1965年の名指揮者ストコフスキーとの武道館公演は、ビートルズに先駆け武道以外音楽催事としてはじめての使用となった。

 これほどまでに全米を舞台に大活躍し名声を博したアーティストをご存じですか?

 

 全盲の天才箏曲家、衛藤公雄(えとうきみお)。

 彼の名を知らなくても、それは決して恥ずべき事ではありません。空前絶後とも言うべき音楽活動を成し遂げたにもかかわらず、彼の名は次第に人々の記憶から忘れられていき、2012年に逝去されています。

 

 本書は、60年前、箏(こと)で世界に挑んだ全盲の天才箏曲家、衛藤公雄の、闘志と葛藤に満ちた生涯を描いたノンフィクションです。その生き様は、いま針路を見失いつつある日本人に、グローバルとは、フロンティアとは何かを教え、勇気と力を与えてくれることでしょう。

 

和楽器が世界で勝負できる存在であることを、半世紀以上も前に証明して見せたのが、衛藤公雄でした。

 

 衛藤公雄は、1924(大正13)年大分生まれ。幼少期に失明したが、箏に才能を発揮して宮城道雄に入門、14歳で教授免状を許された。戦後、箏でジャズを演奏するなどの活動が一部から批判され、29歳でアメリカに渡り永住権を取得。その後全米での活躍は前述の通り、名だたるホールを満員にした。

 そんな名声の裏には、家族の犠牲、洋楽と邦楽の狭間での葛藤を抱え、67年の帰国後は後進の指導に徹する。次第にその名は忘れられ、2012年逝去。

 近年彼の卓越した音楽性を再評価する動きが高まり、死後4年経った本年11月、秘蔵音源をデジタル復刻した2枚組CD『奇蹟の爪音/箏のレジェンド 衛藤公雄』(発売元:日本伝統文化振興財団)が発売、異例の売れ行きを見せている。

 パーカッショニストのスティーヴ エトウは次男、和太鼓奏者のレナード衛藤は三男。

 

和楽器は世界に誇る 日本のクール・コンテンツ 。いま若年層を中心に、和楽器回帰の動きが盛んです。

 

 2002年から中学校での和楽器教育が始まり、30歳以下の世代は和楽器に親しんでいます。今ではほとんどの高校・大学に箏曲部があり、その動きはエンタテインメント界にも波及。若い奏者が次々と現れはじめ、和楽器で組まれたバンドが大人気を博しています。

 あらためて、日本文化をもう一度世界の枠組みで見直すとき、時代のなかで埋もれていった不世出の天才箏曲家・衛藤公雄は、今こそ光が当てられるべき、そして忘れてはならない存在なのです。

 

守り伝えるべきもの、飛躍して常識を超える可能性、その両翼を担える人のエネルギーこそ日本の誇り。日本的を持つことこそが世界的になる要。衛藤公雄はその見本でもある

 ───東儀秀樹

 

 

奇蹟の爪音 きせきのつまおと

アメリカが熱狂した全盲の箏曲家 衛藤公雄の生涯

谷口和巳・著 定価:本体1,800円+税 

●本書の内容はこちら

https://www.shogakukan.co.jp/books/09388527

 

●Youtubeで衛藤公雄の音と人生を配信中! 是非覗いてください!

https://www.youtube.com/watch?v=1VQn5rUa8IM

 

●衛藤公雄プロジェクト公式Twitterはこちら

https://twitter.com/kimioetoproject

 

 

【著者プロフィール】谷口和巳(たにぐち・かずみ)

1947年、大阪生まれ。編集者、コラムニスト。勁文社『デ・ビュー』『パーキー・コミック』『キッズ デ・ビュー』、東京ニュース通信社『ゴーギャン』の創刊編集長を務める。『女優森光子 大正・昭和・平成──八十八年激動の軌跡──』ほか企画・編集・執筆の書籍は多数にのぼる。

 

【秘史発掘!】箏(こと)で世界に挑んだ全盲の音楽家の人生は、勇気と生きる力を与えてくれる!『奇蹟の爪音』