谷川俊太郎詩集『いそっぷ詩』 おなじみのイソップのお話が、すばらしい〈ひらがな詩〉になった!(11/9刊)

 

谷川俊太郎の書き下ろし詩集、『いそっぷ詩(うた)』。イソップ童話を題材にした、子どもからおとなまで楽しめる《絵本詩集》です。ユーモアとナンセンス、ちょっとブラックで残酷な物語展開。全部で30篇と、広瀬弦によるカラーの絵が30点。

 

○北風と太陽、どっちが残酷?

○鶴と孔雀、どっちが幸せ?

○兎と亀、どっちが金メダル?

 

誰もが知っている物語が、谷川俊太郎の手でみごとに改変、変奏される。皮肉でおかしくて、ちょっと残酷――リズミカルな日本語は思わず歌いだしたくなるほど。

巻末に谷川賢作によって作曲された「イソップさん」の楽譜も収録した。

 

岩波文庫収録の原典から「亀と兎」をご紹介!

 

亀と兎が足の速さのことで言い争い、勝負の日時を決めて別れた。さて、兎は生まれつき足が速いので、真剣に走らず、道から逸れて眠りこんだが、亀は自分の遅いのを知っているので、弛(たゆ)まず走り続け、兎が横になっている所も通り過ぎて、勝利のゴールに到達した。

素質も磨かなければ努力に負けることが多い、ということをこの話は解き明かしている。

 

この教訓つきのお話が、谷川版では以下のように軽やかに展開する。

 

 うさぎと かめ

 

 ようい どん!

 うさぎはぴょんぴょん はねていく

 みみをかぜに なびかせて

 あとあししっかり じめんをけって

 

 かめはのそのそ あるいていく

 おひさまぽかぽか あたたかい

 いいてんきだな たのしいな

 

 うさぎはぴょんぴょん はねていく

 じぶんのはやさが うれしくて

 ゴールめざして いっちょくせんだ

 

 かめはのそのそ あるいていく

 かぜもそよそよ ふいてくる

 いいきもちだな ねむたいな

 

 うさぎはぴょんぴょん はねていく

 ゴールはとっくに すぎたのに

 まだとまらずに はねていく

 

 かめはぐうぐう ひるねをしてる

 ちょうちょがかめの せなかにとまる

 うさぎはどこまで いったのか

 

 いいてんきだな たのしいな

 

『イソップ詩(うた)』

文・谷川俊太郎/絵・広瀬 弦

定価:本体1,800円+税 2016年11月9日発売

A5判上製・136ページ ISBN978-4-09- 388512-6

本書の内容はこちら

 

 

谷川俊太郎詩集『いそっぷ詩』 おなじみのイソップのお話が、すばらしい〈ひらがな詩〉になった!(11/9刊)