30代のダメ男と壊れかけの男の子ロボットの「ポンコツコンビ」が繰り広げる、抱きしめたいほどせつなくてかわいい友情物語『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(6/7刊)

 

30代のダメ男(無職)・ベンと、壊れかけの旧型ロボット・タング(推定2、3歳の男児)の珍道中を描いた友情物語!

 

   「もぉ、かわいすぎ!」「ポンコツなんだけど、間違いなく虜になります」「うちにも来てくれないかな~」……こんな感想がネット上におどる、イギリス発のSFロードノベル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(著/デボラ・インストール、訳/松原葉子)。AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジする近未来を舞台に、妻に三行半を突きつけられた30代のダメ男(無職)・ベンと、壊れかけの旧型ロボット・タング(推定2、3歳の男児)の珍道中を描いた友情物語なのだが、このタングの可愛さにやられた! という人が続出し、最近の翻訳小説では珍しい広がりを見せている。

   《見たところ、ロボットは高さが一三〇センチ弱、幅はその半分くらいで、金属製の四角い胴体と頭で構成されていた。(中略)ロボットには、衣類乾燥機の排水ホースにスプレーで色をつけたような、短い足と短い腕があり、その先に板状の足と、老人がよく持っている、先が二股になっていて、手の届かない場所にあるものを掴めるマジックハンドの先端みたいな手がついていた。要は学校の工作作品みたいなのだ。》

 ある朝ベンの自宅の庭に現れたタングは、アンドロイドが使用人化している時代において「昭和風味」のロボット、しかも故障中ときている。言葉はカタコト、人間の役に立つどころか「やだ」「何で?」をくり返し、まさにイヤイヤ期まっさかりの子どものようなふるまいでベンを振り回していく。しかし、ほかのアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してくれる人を探すべく、一緒にサンフランシスコ、東京、そしてパラオへと旅をする。ベンは「魔の二歳児」みたいなタングと過ごすうちに、ダメダメだった自分自身とも向き合うようになり、タングもまたベンという相棒を得て、人間の子どものようにどんどん成長していく。そして、タングの「出生の秘密」も明らかになっていく…。

 

酒井駒子さんによるカバーと手作りロボットの書店展開が大好評でたちまち重版!

 

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丸の内本店(左)と丸善津田沼店(右)の手作りロボット

 

 冒頭でも触れたように、本書の魅力はなんといってもタングのかわいさ。ダダをこねたりかんしゃくを起こしてベンを困らせるけれど、怖いときにはベンの足にしがみつき、うれしいときには足を踏みならして喜び、やがてはベンの役に立ちたいと「お手伝い」までしてくれる健気なタング。このタングのかわいさを具現化してくれたのが、『よるくま』などで大人気の絵本作家・酒井駒子さん。ちんまりと庭にたたずむタングを繊細なタッチで描いたカバーも相乗効果となって、刊行前から書店員さんたちのあいだでも評判に。

  「今年最も、ずーっと読んでいたかった本!」とコメントを寄せてくれた丸善津田沼店の沢田史郎さんは、カバー画に倣ったタング人形を手作りして店頭に置き、発売から4週連続で文庫の週間ベスト1位、さらに6月の月間ベスト1位に輝いた。この熱がほかの書店員さんにも伝播。「手作りタング」を店頭に置いて展開する書店がじわじわと増え、口コミで評判が広がり刊行からひと月あまりで重版が決定した。

 

 読者からは「映画化希望!」の声も多いが、本作は今年のベルリン国際映画祭でも「映画化したい一冊」に選ばれている。かわいすぎるタングが大スクリーンで活躍する日を前に、ぜひとも一読していただきたい一作。ただし、これまた読者たちが声をそろえている「タング・ロス」にもご用心のほどを。

 

小学館文庫

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

著/デボラ・インストール、訳/松原葉子

定価:本体850円+税 2016年6月7日発売

文庫判・456ページ ISBN978-4-09-406237-3

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30代のダメ男と壊れかけの男の子ロボットの「ポンコツコンビ」が繰り広げる、抱きしめたいほどせつなくてかわいい友情物語『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(6/7刊)