“最強”にして“最凶”の組み合わせ!新世界秩序を描いた力作 『VW不正と中国・ドイツ経済同盟』は“悪夢の予言書”です

 

 『報道ステーション』『ミヤネ屋』ほか多くのニュース情報番組に出演している信州大学の真壁昭夫教授は、中国とドイツという世界第2位と第4位の経済大国が強力タッグを組み、米国に代わる新たな「世界の基軸勢力」になっていくと予測しています。

 この新たな巨大勢力の誕生で、世界経済はどこに向かい、日本はどう進むべきなのかーー中国とドイツを主役に、まったく新たな視点から世界経済を描いた力作の登場です!

 

 2016年の世界経済は、波乱の幕開けを迎えました。

 上海市場の急落、サウジアラビアとイランの国交断絶、原油安に日銀マイナス金利、そして人民元の急落……。

 その中心にあるのは中国です。

 中国経済に減速懸念があるから、株価は世界的に不安定となり、各国経済は不透明感を増し、日銀はさらなる金融緩和策に追い込まれました。

 世界は中国に振り回されています。

 中国経済は、巨大であると同時に世界経済の最大リスクともなっています。 

 

 その中国がドイツに急激に接近しているーーとして真壁教授は次のように述べています。

 

〈21世紀は中国とドイツの時代だ。米国主導の世界運営が行き詰まり、一極集中から多極化へ世界の在り方は変わりつつある。(中略)米国に代わるスーパーパワーの誕生が予測され、そうした動きが世界経済に与える影響やシナリオを考えなければならない時、やはり、この2国を軸に考えることが妥当だと筆者は考える〉

 

 実際、フォルクスワーゲン(VW)の中国進出やAIIB(アジアインフラ投資銀行)へのドイツの参加など、すでに中国とドイツは蜜月関係にあるといえます。

 加えて真壁教授は、2015年9月に発覚したフォルクスワーゲンの排ガス不正(VW不正)が、今後さらに両国の結びつきを強め、「中国・ドイツ経済同盟」が誕生していくーーと予測しています。

 

 もともと両国には共通項が多いと真壁教授はこんな比較表を作成しています。

 

◆中国とドイツの共通項比較                      

VW

 では、米国のGDPをも凌駕していくほどの巨大な経済力を有するこの新たな経済同盟は、どんな衝撃を世界に与えるのでしょうか。本書のサブタイトルにあるように〈世界経済の支配者か、破壊者か〉いずれかになるのでしょうか。

 

 真壁教授は、世界経済の支配者に近づいていくシナリオを予想し、〈世界は中国とドイツの色に染まっていく〉と分析する一方、〈残念ながら破壊者になる可能性も高い〉としてさまざまなシナリオを提示しています。

 

 たとえば、これまでも〈中国はドイツの自己中心的な振る舞いをかばい、ドイツは中国の暴走・横暴を黙認〉してきたが、経済同盟となれば〈中国とドイツはますます増長〉し、〈互いの覇権主義がさらに強まる〉。その結果、世界経済は調整機能を失い、世界的な〈ブロック経済化〉や〈新たな中国リスク〉の発生を招き、〈世界恐慌の可能性〉を否定できない状況に追い込まれる……などなど。

 

 つまり、中国・ドイツ経済同盟は〈「最強」の勢力となりえるが、われわれにとっては「最凶」の勢力ともなりえる〉というわけです。それはまさに世界経済にとって“悪夢”であり、本書は“悪夢の予言書” といえるでしょう。

 

 こうした米国中心から中国・ドイツ中心への世界秩序のパラダイムシフト分析とともに面白いのが、この本が中国経済の崩壊シナリオと延命シナリオをも検証するものとなっている点です。詳しくは本書に譲りますが、いい意味でも悪い意味でも世界経済の中心となっている中国経済に興味や不安を覚える読者にとって、面白くてわかりやすい分析が満載されています。

 

 混沌の2016年経済を見通すための、羅針盤となるような名著です!

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真壁昭夫
著者プロフィル:真壁昭夫(まかべ・あきお)

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行に入行。ロンドン大学経営学部大学院修士課程修了。第一勧銀総研、みずほ総研の主席研究員を歴任。信州大学経済学部教授。多摩大学客員教授。テレビ解説多数。『AIIBの正体』(祥伝社新書)ほか著書多数。

“最強”にして“最凶”の組み合わせ!新世界秩序を描いた力作 『VW不正と中国・ドイツ経済同盟』は“悪夢の予言書”です