ヤマト「宅急便」を創った伝説の経営者の知られざる素顔 『小倉昌男 祈りと経営』(1/25刊)

 

ネット通販の拡大などで注目が集まる宅配便業界。現在では数多くの企業が宅配便事業に参入していますが、その先駆けとなったのが1976年に創設された「クロネコヤマトの宅急便」です。当時ヤマト運輸の社長だった小倉昌男氏は、現代のインフラとも呼べるサービスをゼロから築き上げた名経営者として知られ、2005年に亡くなりました。

小倉氏の業績は不朽のロングセラーとなっている自著『小倉昌男 経営学』をはじめ、これまで数多くの書籍や記事で紹介されてきましたが、本作はそうした作品群で全く描かれてこなかった人物像に迫りました。

著者は2012年に『「つなみ」の子どもたち』『つなみ 被災地のこども80人の作文集』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したジャーナリスト・森健氏。丹念な取材によって当事者の証言を積み重ねていくことで知られる森氏が、初めて手がけた本格人物評伝です。

小倉氏は現役引退後、46億円もの私財を投じて「ヤマト福祉財団」を創設し、障害者福祉に晩年を捧げました。莫大な額の私財を投じながら、福祉事業に乗り出した理由について生前、ほとんど何も語らなかった小倉氏。著者の森氏はそのことを疑問に思い、取材に動き始めます。

関係者を一人ひとり訪ね、証言をつなぎ合わせ、小倉氏の「真の思い」に迫っていく過程そのものを描いた本作は、ノンフィクション作品でありながら、謎解きミステリーのような読み味が楽しめます。

第22回小学館ノンフィクション大賞で、賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけた受賞作。稀代の経営者が人知れず抱えていた悩みと葛藤、その末に出した答えが明らかになります。

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【著者プロフィール】森健(もり・けん)1968年東京都生まれ、ジャーナリスト。92年に早稲田大学法学部卒業。在学中からライター活動をはじめ、科学雑誌や総合誌の専属記者で活動。96年、フリーランスに。著書に『就活って何だ』(文春新書)、『勤めないという生き方』(KADOKAWA)、『「つなみ」の子どもたち』(文藝春秋)、『ビッグデータ社会の希望と憂鬱』(河出文庫)、『反動世代』(講談社)など。2012年、第43回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。15年、本作で第22回小学館ノンフィクション大賞受賞。

ヤマト「宅急便」を創った伝説の経営者の知られざる素顔 『小倉昌男 祈りと経営』(1/25刊)