世界中を駆け巡り、植物を追い求める姿に感動の嵐が!!『プラントハンター西畠清順 人の心に植物を植える』(NHK取材班編・9/17刊)

 

 兵庫県川西市にある老舗の植物卸問屋「花宇」の5代目であり、天皇家や銀閣寺などの依頼主のための活け花の花材を中心に、多様な植物を3000種以上栽培し、最高の状態で納めているのが西畠清順さんです(上・カバー写真参照)。世界中を飛び回って、日本人が見たこともないような植物を探しては日本に送り込んでいることから「現代のプラントハンター」と呼ばれています。

 1980年生まれの34歳。ひたすら稀少な植物を追い求め、1年の4分の1は世界中を旅し、その移動距離はなんと地球10周分!!にもなります。

 そんな清順さんを追ったのが『NHKスペシャル 地球を活け花する~プラントハンター・人の心に植物を植える』だ(2015年3月28日放映)。初めて目にした「プラントハンター」の姿は、視聴者に大きな衝撃と感動を与えて話題を呼びましたが、本書は番組の取材記であり、清順さんの魅力を最大限に伝えています。

 中心となるのはアルゼンチンでのバオバブのような巨木パラボラッチョ探し。三日三晩かけて掘り出し、独自の技術で養生して木を眠らせます。船便の手配がつかず、緊急空輸することにして、掘り出してから5か月後、ようやく日本に到着した巨木は奇跡的に長い眠りから目覚めます。このパラボラッチョは、現在、福岡市アイランドシティ中央公園の「ぐりんぐりん」という体験施設で行われている「西畠清順世界7大陸植物園」で公開中(2015年11月29日まで)。日本到着時は丸裸だったのに、現在は緑の葉をいっぱいに茂らせています。

 また、清順さんは東京の「パークシティ大崎」の空間開発など、全国のイベントや建築物の「緑化」も手がけ、こう言います。

「人間が創造する建造物群の真ん中に、自然が何百年もかけて作り出した命を植えることで、地球が持つポテンシャルを感じてほしい。そうすれば、植物への愛で自然や環境のことを考えてもらえるようになるのではないか」

 担当編集者から見た清順さんは、人なつこい笑顔がとてもすてきで、話もおもしろい!! お会いすると、好きにならずにはいられない人物です。ところが、いざ植物を相手にすると、清順さんはその雰囲気を一変させ、声もかけられないほど緊張感が漂います。それだけ、植物に対して愛情と責任をもって接していることが伝わってくるのです。そんな清順さんの魅力が、この本にはギッシリ詰まっています。

(本書は、小学館クリエイティブ発行・小学館発売の単行本です)

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▲アルゼンチンのの山中で掘り出したパラボラッチョを運び出す。

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明治元年創業の植物卸問屋「花宇」の5代目。

 華道家へ卸す花材の準備に余念がない。

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世界一長寿の木「ブリッスルコーンパイン」と「プラントハンター」清順さん。

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▲日本に到着したときは丸裸だったパラボラッチョが、

現在ではこんなに葉を茂らせている。

[著者プロフィール]西畠清順(にしはた・せいじゅん)/1980年生まれ。明治元年より150年続く、花と木の卸問屋「株式会社花宇」の5代目。日本全国・世界数十か国を旅し、収集・生産している植物は3000種類。日々集める植物素材で、活け花・フラワーデザイン・室内緑化・ランドスケープなど、国内はもとより海外からのプロジェクトを含め年間2000件を超える案件に応えている。2012年1月、人の心に植物を植える活動である「そら植物園」をスタート。様々な個人・企業・団体と植物を使ったプロジェクトを多数進行中。著書に『プラントハンター 命を懸けて花を追う』『教えてくれたのは、植物でした』(いずれも徳間書店)、『そらみみ植物園』(東京書籍)、『桜を見上げよう Sakura Project 2012 BOOK』(編著:MATOI PUBLISHING/日販アイ・ピー・エス)がある。

本書の内容はこちら

小学館クリエイティブのHPはこちら

西畠清順さんのことをもっとお知りになりたい方は「そら植物園」に

 

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