19年前の自費出版作品が直木賞作家・桜木紫乃に見出され、小学館文庫で開花!小野寺苓著『女の名前』(5/8刊)は見事なエッセイ集です!

 

 著者・小野寺苓さん(82歳)は岩手県在住で、主婦の傍ら、これまで小説、詩、エッセイなど数多くの作品を書き上げてきた女性です。

 本書『女の名前』が最初に世に出たのは1996年、1000部の自費出版でした。東北の小都市でひっそりと暮らしながら、家族の来歴、生活、その土地の文化、社会を見つめ、それらを端正な言葉で淡々と綴ったエッセイ集でした。
「私のあこがれてやまないものが、本書のなかにあった」こう語るのは、2013年に直木賞を受賞した作家・桜木紫乃さんです。2012年、本書の編集担当者からこの本を手渡された桜木さんは、講演会やテレビで本書を絶賛、紹介したものの、もはや古書でも手に入りにくいほど、この本は流通していませんでした。
 それから昨年、本書の担当者に桜木さんから文庫化の提案があり、今回の出版が決まったのです。桜木さんは、編集者に「この本のためなら何でもします」と約束してくださったとのこと。もちろん解説も執筆してくださいました。その解説より。

「著者の視線は柔らかく、上からでも下からでもなく、一貫して日々を生きるひとの目の高さで書かれている。そのくせ文章は切れ味鋭い刃のよう。自戒を込めた一行に触れるとき、はっとさせられる。誰かになにかもの申すといった気負いもなく書かれた文章の中に、反省や諦念、気づきがちいさなダイヤのようにちりばめられている」

 これだけ読んでも手に取りたくなるような本書ですが、担当者もこう言います。

「市井人の視線で、家族や文化、生活などを綴ったエッセイ集ですが、著者の生きてきた戦前・戦中・戦後の折々が描かれた、一種の昭和史のような側面もある本だと思います。しかも各編、名文ばかり。これは後世に残しておくべき本、文庫で出版する価値は充分にあると思いました」

 小野寺さんは19年後に自作が再び世に出たことに驚き、そして「認めていただいて桜木さんには感謝しています」とコメントを寄せてくださいました。

 62編すべてが美しい掌編小説のような、素晴らしいエッセイ集。必読です。

 

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19年前の自費出版作品が直木賞作家・桜木紫乃に見出され、小学館文庫で開花!小野寺苓著『女の名前』(5/8刊)は見事なエッセイ集です!