【洞察】蔡 焜燦(サイ コンサン)著『新装版 台湾人と日本精神』(4/23刊)は、戦後70年の年に、混迷深める日中外交を深く考えさせます。

 

   台湾で長く日本文化を広めてきた功績が評価され、昨年春に外国人叙勲で旭日双光章を受章した台湾人・蔡焜燦氏。日本では決して著名とはいえない同氏の著書『台湾人と日本精神』(小学館文庫2001年刊)は、発刊から14年が過ぎた今も多くの日本人に支持されるロングセラーとなっていますが、文庫本の読者から「単行本で読みたい!」という強い要望があったことから新装版として単行本化となりました。

 書名にある「日本精神(リップンチェンシン)」とは、戦前の日本統治下の台湾で「勤勉、正直、約束を守る、公を大切にする」といった意味で使われてきた言葉です。本書が外国人の著者でありながら、多くの支持を得て増刷を重ねてきた理由は、著者の日本に対する愛情とともに、日中関係に対する深い洞察があります。

「日本人」として終戦を迎え、その後中国の支配下に置かれた台湾で過ごしてきた著者の体験を踏まえた考察は、混迷が続く現在の日中関係を考える上で貴重な提言となっています。   

 著者が現在の日中関係や日本の外交について前掲書に大幅加筆した本書は、日中外交が混迷を極める中で戦後70年の節目を迎える日本人に深く考えさせる一冊となるはずです。

【著者プロフィール】蔡焜燦(サイ・コンサン Kun-Tsan Tsai)1927年、台湾生まれ。台中州立彰化商業学校卒業。45年、岐阜陸軍整備学校奈良教育隊入校。終戦後、台湾で体育教師となるが、後に実業界に転身。半導体デザイン会社「偉詮電子股份有限公司」会長などを務める。司馬遼太郎が『台湾紀行』(『街道をゆく』シリーズの第40巻)の取材をする際に案内役を務め、同作中に「老台北」として登場したことでも知られる。短歌を愛好する「台湾歌壇」の代表として日本文化を広く紹介してきた功績が評価され、2014年春の叙勲で旭日双光章を受章した。

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【洞察】蔡 焜燦(サイ コンサン)著『新装版 台湾人と日本精神』(4/23刊)は、戦後70年の年に、混迷深める日中外交を深く考えさせます。