【裏面史】今、ノンフィクションが熱い!!『黒幕』『十三億分の一の男』が揃って増刷中です!!

 

 爆発的な売れ行きを見せることで大きな話題を呼ぶ、文芸作品を中心にしたフィクションに対して、ノンフィクションが売れない、読まれないという悲観的な声が、出版業界ではここ数年上がってきています。

 ところがそんな状況なにするものぞ、とばかり熱く支持されている2冊を紹介します。

 まず1冊目は伊藤博敏著『黒幕』。昨年11月に刊行されて既に4刷を重ねています。《巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」》とサブタイトルにある人物こそ、情報誌『現代産業情報』発行人・石原俊介氏(2013年4月死去)です。

 政財界、マスコミ、霞ヶ関、はては左翼活動家、右翼団体、暴力団にまでその名を轟かせて「陰の情報フィクサー」として暗躍していた人物ですが、封印され続けてきた半生を、気鋭のジャーナリスト・伊藤博敏氏が初めて明らかにしました。

 著者は、あの戦後最大の事件屋・許永中を長年、身近で取材し、事件の真相やその謎めいた素顔を初めて世間に知らしめた実力派です。バブル以降の多くの経済事件を第一線で取材し続けてきました。『黒幕』で描かれた石原俊介氏が最も信頼を寄せていたジャーナリストでもありました。

 担当編集者曰く、「メディアの人間の多くはその存在を知っていましたが、新聞もテレビも報じなかったフィクサーの実話が切った張ったで展開される、映画のような“コワ面白世界”が堪能できます」

 本書への反響を紹介しますと、まず報道に携わる第一線のメディア関係者から情報の世界の奥深さや、改めて石原氏の素顔を知ることが出来たということで評判が上々だったこと、また、「こんな世界があったのか。知らなかった」という一般読者からの驚きの声だけではなく、なんと「一流企業の総務や広報の方から“社員教育の教材にしたい”という声が多く寄せられて驚きました」(担当者の話)。企業にとって「コンプライアンス(法令遵守)」は大命題とあって、本書から“裏社会”との付き合い方を学んで活かそうとしているのだと思います。

 日本の裏面史をあぶり出した渾身1冊、必読です。

[著者プロフィール]伊藤博敏(いとう・ひろとし):1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業、編集プロダクションを経て、ジャーナリストに。特に経済事件の取材に定評があり、数多くの週刊誌、月刊誌などに寄稿。主な著書に『許永中「追跡15年」全データ』(小学館)、『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』(講談社)など。

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 2冊目は今年2月に出て、早くも大増刷となった峯村健司著『十三億分の一の男 中国皇帝をめぐる人類最大の権力闘争』です。ズバリ、本書はそのタイトルでもお分かりのように、中国13億人からたった一人選ばれた男、現代の中国皇帝とも評される習近平主席が直面する「死闘」とも言える生存闘争の真実です。

 政権発足以来、「腐敗撲滅」の名の下に、粛正の嵐が吹き荒れる中国共産党では25万人を超える共産党員が検挙されています。

 しかし内実は、側近すら信用しない習近平の「不信」と「警戒」による粛正にほかならず、自らを放逐しようとクーデターを画策していた最高幹部への報復でもあったのです。

 著書は、優れた国際報道の貢献者に贈られるボーン・上田記念国際記者賞を2011年に、中国に関する安全保障政策や情報政策に関する報道が評価されて受賞した、朝日新聞記者です。

 峯村氏が異端なのは、外交畑の中国プロパーでもなく、かつ30歳になるまでは大陸に足を踏み入れたこともなかったことです。しかし、社会部出身の氏は、現場を這いずり回ることで「言葉」と「文化」の壁を越えました。たったひとつの「真実」を求めて、自らと敵対する中国当局者にも接触し、酒を飲み交わす仲にまで発展したこともあったといいます。

 そんな著者の手にかかった本書は、中国共産党の最高機密の数々を、徹底的に現場にこだわった取材を重ねることで明かしていく、一級の「スクープノンフィクション」(担当者の話)となっています。例えば──

●習近平の「一人娘」をハーバード大学の卒業式で直撃

●ロサンゼルスにあった中国高官の「愛人村」潜入

●「世界秩序」を決めた米中トップ会談の知られざる中身

 等々、枚挙にいとまがありません。

「監視の目をかいくぐり、取材対象に近づいていく臨場感は一級のエンターテイメントでもあります」(担当者の話)という本書は、現代中国がしっかり、きっちり解る力作です。

[著者プロフィール]峯村健司(みねむら・けんじ):朝日新聞国際報道部機動特派員。1974年長野県生まれ。97年朝日新聞社入社。大津、広島両市局、大阪本社社会部を経て、2005年から中国人民大学に留学。07年に中国総局員に。習近平体制誕生の内幕を最前線で取材。11年には、優れた国際報道で国際理解に貢献したジャーナリストに贈られるボーン・上田記念国際賞を受賞。13年 6月から ハーバード大学フェアバンクセンター中国研究所客員研究員に。14年8月から現職。

『十三億分の一の男』をお読みなりたい方はこちら

 

 

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